人間誰しも「なんだか気分が乗らない」「何もやる気が起きない」といった経験を持っています。これは怠惰から来るものではなく疲れた体からのサインであることが多く、無視し続けると心が追いつかないという状況に至りがちです。
大切なのはその原因を特定し、適切な対応をとること。ここでは就労継続支援施設を含めた、働く場で考えられる原因について考察いたしました。
就労継続支援施設を休みがちになる原因は、内的要因と外的要因の2つに分けるとわかりやすいです。
心理状態 | 背景 |
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心や考えがまとまらない | 「思考力が低下している」状態。正解に辿り着けず、考えることに疲れている。頭が常に混乱していて、最低限の思考活動しか出来ていない。 |
倦怠感などで思うように体が動かない | 質の良い睡眠や休憩が取れておらず、肉体疲労が起きている状態。頑張り過ぎて身体が悲鳴を上げてる。 本当はやりたくない気持ちが倦怠感として現れている。 |
何をやっても楽しめない・面白くない | 心理的に感覚過敏な状態を経て乖離を起こしている状態。怒りや悲しみを抑え込んだ結果、その他の感情にも鈍感になっている。 |
今の環境を改善したり、少しの間離れることで心を整える必要があります。
就労継続支援施設のお仕事を休みがちになってしまう外的要因は、次の3つが挙げられます。
世の中の問題のほとんどは人間関係にあると言われています。メンタルに変調が起きているときは特にコミュニケーション能力が下がりがちなので、普段なら些細と思える出来事もおおごとに感じられ、結果「職場が辛い」となってしまいます。
就労継続支援施設では、職務指導員や生活指導員が常駐し、作業・生活の両面で指導や支援を行なっています。法令では利用者10人につき1人が最低ラインと定められており(2021年6月時点)、施設によっては人手不足で利用者全員のケアが回らないことも。そんな状態を解決するために、指導員以外にカウンセラーを雇用する事業所があります。
虫歯になったら歯科医に見せるように、心理的な悩みにも専門的に相談に乗ってくれる人が必要です。通院中ならそこで相談すれば良いと思いがちですが、コミュニケーションエラーの現場を知らないと根本解決にはなりません。
当人同士は立場が違うため主張が重なることはなかなかありません。第三者的な立ち位置で双方にアドバイスを出す人として、専門カウンセラーの存在はとても有意義なのです。
指導員以外のカウンセラーが常駐していることで、働きやすい・通いやすい環境が整います。とくに疾患を抱えている方にとっては、非常に大きなメリットになるでしょう。
株式会社パロンは開所の早い時期から専門カウンセラーの必要性を感じ、常駐雇用を始めました。運営する事業所で利用者やスタッフからの相談を受けて、適切な対応について指導を行っています。
カウンセラー資格をもつ指導員が対応する事業所もありますが、専門カウンセラーとして常駐しているケースは珍しく、相談しやすい体制が整っていると言えるでしょう。
パロンの代表の西村氏は、常駐カウンセラーの重要性についてこのように考えています。
その日の体調や気分によって、人の受け取り方や反応の仕方は変わります。それは我々スタッフも同じことで、ちょっとした配慮の無さで無用な心労を与えてしまう可能性も。当事者同士で解決を図れたら一番ですが、お互いに仕事もあるので時間をとることが難しい場合もあります。そんなとき専門カウンセラーに仲介に入ってもらうことで、客観的に互いの状況を確認し改善に向けて行動できるのが大きなメリットと考えています。
このように利用者が通いやすい環境を作ることで、長く就労経験を積んでもらいたいと考えている株式会社パロン。提供している仕事(作業)内容にも、その考えが反映されています。
パロンはデスクワークを中心に、ものづくりの仕事や体を動かす仕事を提供しています。
デスクワークの仕事 |
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ものづくりの仕事 |
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体を動かす仕事 |
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基本的なパソコンのスキルだけでなく、動画やホームページ作成など、IT分野のスキルも磨けるのが特徴です。IT系への就労に興味がある方は、やりがいを感じながら働けるでしょう。
また、ゲームやDVD機器などの動作チェック作業も提供しています。ゲームが好きな方なら、楽しく作業を進められるのが魅力です。
一方、就労継続支援B型では、パッキングやタグ付けのような軽作業も提供しています。パソコンなどの作業が難しい場合、こうした軽作業から始めてみるのもおすすめです。
もし体調不良で休養が必要な時でも、利用者間で作業量を調整し、無理せず続けられる体制を整えています。精神疾患を抱える方にとっては、この点が大きなメリットになるでしょう。
このほか、パロンでは放課後デイサービスやグループホームも運営しています。児童から成人まで、幅広くケアしているのが特徴です。
放課後等デイサービスでは、佐賀県内でいち早くeスポーツを導入。将来的にはプロのeスポーツ選手の育成を視野に入れて、トレーニング施設との連携や大会準備などに関わっています。
現時点では就労作業とは認められていないため、パロンではサークル活動として導入中。障がいのために身体的な活動には参加しにくいという方でも、PCでの活動範囲を増やすことができ、楽しく通うことができるでしょう。
エレクトロニック・スポーツの略称「eスポーツ」。主にゲームを使って行う競技で、相手と対戦してスコアや勝敗を競います。競技人口は2020年10月時点で361万人。日本eスポーツ連合が発行しているプロライセンス取得者は、2021年2月12日時点で230人がいます。
屋号 | パロン |
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所在地 | 佐賀県佐賀市中の小路4-16 |
アクセス | 佐賀駅より徒歩17分/バス停「中の小路停」より徒歩3分 |
サービス形態 | 就労継続支援A型 |
利用料 | 9,300円/月額 |
公式URL | |
連絡先 | (電話)0952-41-8416/(FAX)0952-41-8417 |
こちらでは一般的な情報も含めて、佐賀県の就労継続支援施設の就業条件をご紹介します。
まず勤務時間ですが、1日あたり4~8時間勤務が一般的です。実際は4~6時間が多いですが、事業所によって異なります。一般就労と同様に8時間勤務を組んでいる施設もあります。
A型事業所は雇用契約書で締結した労働時間数を満たす必要がありますが、B型事業所では勤務時間数は利用者の希望に基づきます。1~2時間の勤務からスタートし、徐々に生活リズムを整える施設が多いようです。
勤務日数は週5日が基本となっています。休みは土日祝日というパターンが多く、一般企業と大きな違いは見られません。ただし、事業所によっては月○日と、休日の日数が決まっている場合も。パロンの場合は毎月の日数から8日を引いた日数を勤務日数としています。
A型事業所は一般就労と同様に一定期間働くと有給休暇が付与されます。
付与される1日あたりの有給時間数は雇用契約にある時間数です。日数は継続勤務年数で変わりますので、下記を参考にしてください。
週5日労働(一般就労のフルタイム勤務と同様)は以下のとおりとなります。