グレーゾーンは、発達障害の傾向はあるけれど診断を受けていない状態を言います。コミュニケーションが苦手だったり学習障害の傾向があったりするなど、症状や程度には個人差があるのです。
当記事では、グレーゾーンの方の就労継続支援について紹介しています。向いている仕事や探し方、抱えやすい悩みについても解説していきますので、ぜひチェックしてください。
発達障害のグレーゾーンは正式な医学用語ではなく、発達障害の傾向があるけれど診断を受けていない状態を指します。発達障害は「DSM-5」と呼ばれる国際的な基準を用いて医師が診断します。基準を満たさなければ発達障害には分類されず、グレーゾーンと呼ばれるのです。
グレーゾーンの方が悩まされる症状にはどのようなものがあるのか詳しく解説していきます。
ASDの傾向のある方は、コミュニケーションや対人関係を築くのが苦手です。例えば職場の人とうまく話せなかったり、周囲の雰囲気に合わせられなかったりします。また、急な予定変更に柔軟に対応できないのも特徴です。
LDの傾向があると、聞く・話す・読む・書く・計算する、の中から特定領域の学習が不十分だと感じられます。仕事の指示を理解できなかったり、業務の流れを覚えられなかったりするケースもあるのです。
注意欠陥の傾向があると、ケアレスミスをしたり、時間管理能力が低くて頻繁に遅刻したりすることがあります。また、多動の傾向がある場合は、集中できず落ち着いて座っていられないケースもあります。
発達障害の傾向があると、仕事の全体イメージを掴めず段取りが取れない場合があります。こだわりが強く、関心の向かう箇所ばかりに意識が向かってしまうため、仕事全体を見渡すのが難しいのです。
ADHDの傾向があると、注意欠如によるケアレスミスが多く指示通りにこなせなくなるパターンもあります。不測の事態が起こると、冷静に対処できずパニックに陥ってしまう場合もあります。必要な作業をリストアップし、優先順位をつけながら進めていきましょう。
グレーゾーンの方は、言葉を額面通りに受け取りやすく、「簡単に」「適当に」といった曖昧な表現では伝わらないケースも見られます。そのため、必要以上に時間をかけて緻密に丁寧に仕上げたり、やり直しが必要なほどの雑さで終わらせたりするなど極端な結果になりやすいです。指示通りに仕事をこなすためには、なるべく具体的に指示をもらうようにしてください。
グレーゾーンは、相手がどのように思うか想像できないケースもあり、悪気なく不用意な言動をしてしまう場合があります。障害による特性から不用意な発言をする場合があると周囲に理解してもらうだけでも違います。しかしグレーゾーンの場合、一見しただけでは特性があるとわかりにくいため、理解してもらえないケースもあるのです。
グレーゾーンと言っても、得手不得手は個人差があるため、できることや苦手なことをはっきりさせておくと仕事探しがスムーズにいきます。応募先の企業ではどのようなサポートをしてもらえるかも一緒にチェックしておきましょう。ここでは、仕事探し術について詳しく解説していきます。
ハローワークは障害者手帳の有無に関係なく、就職相談を行えます。就職活動をする人の状況や能力、適性に応じた職業を紹介してもらえるのです。
就労移行支援事業所は、一般就労を希望する方をサポートする施設で、運営元は民間企業です。以下のサービスを提供しています。
障害者手帳を取得していないグレーゾーンでも、医師の意見書を持参すれば無料で利用できます。
応募する企業を選ぶ際に、障害を抱えるスタッフに対するサポート体制がしっかりとしているかどうか確認しておきましょう。入社後、働く上でどのような支援やサポートを受けられるのか具体的に確認しましょう。
発達障害の種類や程度、特性はもちろん、個人の能力によって向いている仕事は異なります。グレーゾーンの方が就活を成功させるためには、自分の得手不得手をよく理解し、強みを活かせる仕事を選びましょう。この章では、グレーソーンに向いている仕事について詳しく解説します。
ASDの傾向のある方は、コミュニケーションが苦手な傾向があるため営業職や販売職といった人と接する仕事には不向きです。しかし、こだわりが強く特定の分野に強い関心を持つ特性があるため、webデザイナーやエンジニアなどの専門的な仕事に適性があります。
LDは「書く」「読む」「計算する」といった特定の学習が苦手な障害ですが、全般的な知的発達には大きな問題はないとされています。そのため、苦手な分野を避ければ、向いている仕事の幅は広いと言えるでしょう。コピーアンドペーストで入力する業務や、Excelで計算する仕事であれば事務職として従事可能です。
注意欠如・多動症(ADHD)の方は、ケアレスミスが多かったりマルチタスクが苦手といった特性があるため、スピードや正確性を求められる仕事には適性がありません。
しかし、ダブルチェックする仕組みがある仕事や、1つ1つ業務を進められる環境が整った職場であれば事務職がおすすめです。発達障害の特性は、個人の努力だけで解決することは難しいですが、周囲から適切なサポートを受けることで、負担を軽減して業務を遂行しやすくなります。
発達障害と診断されていなくても、注意欠如によるケアレスミスが多かったり、人とうまくコミュニケーションを取れず仕事が長続きしなかったりするなど、悩みを抱える方も多く見られます。
就労継続支援は、働く上での知識や能力の向上のために必要な訓練を受けられたり、就労に関する相談に乗ってもらえたりするのがメリットです。1人で仕事探しをしてもなかなかうまくいかない場合、就労継続支援を利用して、自分に合った仕事を見つけるとよいでしょう。
ここではA型・B型就労継続支援施設を運営し、幅広い仕事(作業)を用意している、皆さんにおすすめしたい佐賀県の就労継続支援施設(2021年6月調査)をご紹介します。作業内容や魅力などを解説するので、ぜひ自分に合った施設を探してみてください。
パロン |
一人ひとりに応じた
個別支援計画を立てながら フォローをしてくれる コミュニケーションミスやトラブルを無くすために、指導員以外にカウンセラーを常駐させて、就労者が相談しやすい雰囲気を作っています。悩みや不満が大きくなる前に解決できるので、安心して作業に取り組めるのが大きな魅力です。 網羅している職種・作業内容
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碧生会(ReLife) |
通信制高校と連携。働きながら高校卒業資格を取得できる
佐賀市内でReLifeというカフェを運営しており、ここが就労継続支援施設となっています。 網羅している職種・作業内容
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楠の木会(楠の木園) |
総合的に福祉サービスを
提供する 相談支援事業を始め、さまざまな福祉サービスを提供しています。 網羅している職種・作業内容
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ゆとり(道の家) |
地域密着で地元の人の助けになる仕事
地域密着型の施設で、就労の場の提供や定着支援を行なっています。 網羅している職種・作業内容
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