就労移行支援事業所や就労継続支援事業所など、双極性障がい(躁うつ病)の人が仕事を探すためにぜひ活用したい就労支援事業と、向いている職業について説明しています。
まずは、双極性障がい(躁うつ病)にはどんな症状があるのかをよく確認してみてください。
以前は「躁うつ病」とも呼ばれていた「双極性障がい」では、うつ状態とは正反対の躁状態も現れ、これを繰り返すのが特徴です。
この「双極性障がい」は躁状態の程度により「双極Ⅰ型障がい」と「双極Ⅱ型障がい」の2つに大別されています。
「躁状態」が発生する双極性障がいは、「双極Ⅰ型障がい」と呼ばれています。
ほとんどのケースでうつ状態も起こりますが、躁状態が現れていれば、うつ症状が見られなくても「双極Ⅰ型障がい」と診断されています。
うつ状態と軽躁状態の両方が起こる双極性障がいの場合は、「双極Ⅱ型障害」と呼ばれます。
うつ状態と躁状態を何度も繰り返すのが特徴で、症状が現れると人間関係や社会的信用が破綻してしまうことがあります。
双極性障がいは、うつ状態と躁状態、そして軽躁状態の3つを交互に繰り返す症状が見られます。
うつ状態は患者にとってつらいときです。
何をしても楽しさや喜びが感じられず、マイナス思考に陥ってしまいます。物事に集中できず、自責の念に駆られるといった症状もあります。
躁状態は、うつ状態の正反対だから楽しく過ごせるというわけではありません。うつ状態とは両極端に、双極Ⅰ型障がいの躁状態では、ほとんど休まず眠らず動き回ったり、しゃべり続けたりと、家族など周囲の人が疲れ切ってしまうケースが多く見られます。
時には多額の借金をして高額な買い物するなど、人生が傾いてしまうような行動を起こす場合もあります。
双極Ⅱ型障害で見られる軽躁状態は、普段よりもずっと元気で人間関係にも積極的になります。人に迷惑をかけるほどではなくても、周囲からはハイになっているのがわかるような状態で、しかし本人だけは自分の変化に気づいていないためトラブルに発展することもあります。
双極性障がいでは、1型と2型とで仕事に関する悩みが異なっているケースが多く見られます。
双極Ⅰ型では、操状態の際に妄想や幻聴の症状が現れることがあります。その場合、仕事をしていてもほかの人の意見に耳を貸しづらかったり、就活では面接のとき相手にかまわず話を進めてしまうなど、人間関係が上手くいかないことがあります。周囲からの理解が得られないこともあるため、職場選びがより大切になってきます。
双極Ⅱ型の方の場合は、軽躁状態のときに仕事をこなせていたとしても、うつ状態になるとそれらが実行不可能になることがあります。意欲的だった事柄に対して急に無関心や無気力になったり、仕事が手につかなくなるといった症状が現れ、悪化すると朝起きられなくなって仕事を休みがちになるなどの悪影響が生じます。
双極性障がいの人が仕事を探す上で気をつけたいところやポイントを紹介します。
双極性障がいは、症状に対して周囲が把握していなかったり理解が得られないと、単にわがままな人だと勘違いされてしまうことがあります。
そのため、仕事先を探すときには、障がいへの理解や配慮、サポートがどの程度あるかが大切になってきます。
障がいに理解や配慮のある職場かどうかは、福利厚生制度の整備具合いで知ることができます。短時間勤務制度や休職制度などのサポート体制がきちんとしているか、はっきりしないときは人事部に聞いてみるなどして確かめてみてください。
就職移行支援や就労継続支援などの就労支援事業を活用すると、職業訓練や就活のサポートを受けられるため、より自分に適した仕事を探しやすくなります。
何より、症状を抱えながら自分一人で仕事を探すとなると、負担が重なって双極性障がいが悪化してしまうことも考えられます。
サポートを受けることにより、負担を抑えて仕事探しを行えます。
まず、双極性障がいがある場合、例えば、接客・電話応対、光や音などの刺激を伴う作業、深夜の仕事などは症状を進行させる可能性があるため避けたほうがいいと言われています。
その逆におすすめの職場選びも、どの業種であるか以上に、規則正しい生活リズムを刻める働き方や環境にカギがあります。
双極性障がいはうつ状態と躁状態とを繰り返していることから、体内時計や生活リズムが乱れやすく、さらに症状の悪化を引き起こしてしまいがちです。
なるべく規則正しく生活するためにも、年間を通じて業務量や勤務時間が一定であるところが仕事先としてふさわしいです。
特に繁忙期や閑散期の波が大きい職場は要注意です。
うつ症状と躁状態のときを含めて、双極性障がいでは体調に大きな差が生じやすい傾向があります。
そのため、職場も柔軟な働き方ができるところがおすすめです。
例えば、朝に症状が重い人であれば、午後から通勤し、残りをリモートワークで対応するなど、色々な勤務形態を取れるところが望ましいです。
ストレスによって双極性障がいを悪化させないよう、心身の負担を抑えた働き方をすることが大切になります。
双極性障がいを抱えながら仕事をするには、職場の理解が必要不可欠です。
仕事自体が自分に合っていても、体調の変化などによりサポートが欲しいときもあることでしょう。
職場に相談窓口があれば、より働きやすくなり、さらには安心感にもつながります。
何でも自分一人で解決しようとすると、心身へと余計に負担がかかってしまいます。
また、支援やサポートを頼ることによって心苦しく感じる人もいるかもしれませんが、そのために用意されている事業や窓口であるのですから遠慮することは全くありません。
仕事探しのときには就業支援事業を、そして仕事が見つかったあとには職場のサポートを積極的に活用して働きましょう。
ここではA型・B型就労継続支援施設を運営し、幅広い仕事(作業)を用意している、皆さんにおすすめしたい佐賀県の就労継続支援施設(2021年6月調査)をご紹介します。作業内容や魅力などを解説するので、ぜひ自分に合った施設を探してみてください。
パロン ![]() 引用元:株式会社パロン公式HP |
一人ひとりに応じた
個別支援計画を立てながら フォローをしてくれる コミュニケーションミスやトラブルを無くすために、指導員以外にカウンセラーを常駐させて、就労者が相談しやすい雰囲気を作っています。悩みや不満が大きくなる前に解決できるので、安心して作業に取り組めるのが大きな魅力です。 網羅している職種・作業内容
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碧生会(ReLife) ![]() 引用元:ReLife公式HP |
通信制高校と連携。働きながら高校卒業資格を取得できる
佐賀市内でReLifeというカフェを運営しており、ここが就労継続支援施設となっています。 網羅している職種・作業内容
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楠の木会(楠の木園) ![]() 引用元:きらめきプロジェクト公式HP/楠の木会 |
総合的に福祉サービスを
提供する 相談支援事業を始め、さまざまな福祉サービスを提供しています。 網羅している職種・作業内容
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ゆとり(道の家) ![]() 引用元:NPO法人ゆとり公式HP |
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地域密着型の施設で、就労の場の提供や定着支援を行なっています。 網羅している職種・作業内容
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