当記事では、自閉スペクトラム症を抱える方の就労継続支援について紹介していきます。また、障がいを抱えた方の仕事探し術や向いている職種についてもまとめたのでぜひ最後までお読みください。
自閉スペクトラム症(ASD:Autism Spectrum Disorderの略)は、対人関係が苦手でコミュニケーションがうまく取れず、興味や関心に偏りや強いこだわりがあるなどの特性を抱える発達障がいです。
障がいによる特性によって生きづらさを感じてしまい、社会生活上でさまざま支障をきたしてしまうケースも少なくありません。
自閉スペクトラム症は、自閉症やアスペルガー症候群と呼ばれるケースもあります。かつてはアスペルガー症候群やレット症候群、特定不能の広汎性発達障がいなどに再分類されていたことに由来します。
しかし、新しい分類基準では、さまざまあるスペクトラムの中で一人ひとりに出現する特徴や程度が異なる点が強調され、診断名はすべて「自閉スペクトラム症」にまとめられました。
自閉スペクトラム症の方はどのような特性で悩まされることが多いのか詳しく解説していきます。
自閉スペクトラム症を抱える方の場合、コミュニケーションが苦手で対人関係をうまく構築できないケースがあります。冗談を真に受けてしまい、誤解が生じやすいこともあるのが特徴です。
また、空気を読んだり相手の気持ちを想像したりするのが苦手なため、不適切な発言をしてトラブルを招いてしまうケースもあります。中には、視線が合いにくくて表情が乏しい方もいます。
特定の対象に対して強い関心やこだわりを持っており、臨機応変な対応が苦手な傾向があるのが特徴です。見通しの立たない出来事に対して強い不安を抱えてしまう方もいます。またマイルールにこだわってしまうあまり、自己中心的だと思われてしまうケースもあります。
音やにおい、光などの刺激を過剰に受け取ってしまい、強いストレスや不快感を感じ取ってしまう方もいます。
ここでは、仕事上で抱えやすい悩みについて紹介していきます。
急な予定変更に臨機応変に対応できなかったり暗黙の了解を理解できなかったりするため、仕事上のトラブルを招くケースもあります。臨機応変な対応ができないときは、一人で抱え込まずに周囲に助けを求めるなど工夫することが重要です。また、具体的に指示を出してもらっておくのもトラブルを防ぐために有効な手段だと言えます。
場の空気を読んだり、他者の気持ちを想像したりするのが難しく、不適切な発言をしてしまうケースもあります。思いついたことをすぐに言葉にせず、「もし自分が言われたらどう感じるか」と考えて発言するようにしましょう。対人関係が不安な場合、ソーシャルスキルトレーニングを受けておくのも良いでしょう。
発達障がいを抱えている方は、嗅覚や聴覚が過敏なケースもあり、職場のにおいや音に対して強いストレスを感じてしまうケースも少なくありません。そのように過敏な場合は、イヤホンやマスクを利用するとストレスを軽減しやすいでしょう。
この章では、仕事探し術について詳しく紹介していきます。
就労移行支援を利用すると、自閉スペクトラム症などの発達障がいを抱える方が一般企業へ就職するために必要なスキルを身につけられるのが魅力です。それだけではなく、継続的に仕事ができるように生活上のリズムの構築やコミュニケーション能力の習得などサポートを受けられます。
就労継続支援とは、就労や生産活動の機会を提供してもらえるサービスです。就労に必要な知識や能力を向上させるため、必要な訓練を受けられるのが魅力でしょう。
障害者雇用枠で働くと、企業側からさまざまな合理的配慮を受けやすくなります。例えば、理解しやすいようマニュアルを用意してもらえたり勤務時間や休憩時間を調整してもらえたりするなど、特性への困りごとへの配慮をしてもらえます。
自分と企業の相性を確認するため、バイトやパートなど短時間勤務からはじめるのがおすすめです。自分のペースで新しい仕事に慣れていけるため、職場に定着しやすいメリットがあります。
上記以外には、在宅勤務を選ぶのも1つの手段です。人とコミュニケーションを極力取らずに済む仕事や、一人で黙々と進められる仕事など、自分にとってストレスなくできるものを探すとよいでしょう。
ここでは、自閉スペクトラム症を抱えている方に向いている仕事を紹介していきます。
エンジニアが設計した仕様書に基づいて、プログラミングをする仕事です。プログラム言語を組み立てて、アプリやシステムツールが作動するように作成していきます。1日中パソコンに向かって作業する必要がありますが、イレギュラーが発生しにくいのが魅力です。
コーダーは、Webデザイナーが作成したホームページデザインをコーディングしてWeb上で見られるようにする仕事です。
webライターは情報を調べながら執筆し、記事を完成させる仕事です。働く場所や時間を自分で決められるため自由な働き方ができるでしょう。自閉スペクトラム症を抱える方は、話すよりも書いて伝える能力に長けているケースも多いため、専門知識のある分野で挑戦すれば活躍の場が広がります。
自閉スペクトラム症は視覚優位であるケースが多く、Webデザイナーのようなクリエイティブな仕事に向いている可能性があります。職業訓練や就労移行支援サービスを利用して、スキルを身につけてから挑戦するとよいでしょう。
荷物の仕分けや梱包もしくはデータ入力やピッキング作業などの比較的簡単に行える仕事が多いです。同じ作業を繰り返し行うため、集中力や正確に物事を進められるタイプに適性があります。
自閉スペクトラム症を抱える方は、物事へのこだわりやコミュニケーションの困難さなどの特性があるため、仕事をする上でさまざまな苦労があります。
自分の特性をよく理解し、ストレスなく続けられる仕事を探すのがおすすめです。就労継続支援を利用すると、さまざまなサポートを受けながら働き、給与を得られるのが魅力です。就労支援事業などのサービスを利用しながら、仕事探しをしてみるとよいでしょう。
ここではA型・B型就労継続支援施設を運営し、幅広い仕事(作業)を用意している、皆さんにおすすめしたい佐賀県の就労継続支援施設(2021年6月調査)をご紹介します。作業内容や魅力などを解説するので、ぜひ自分に合った施設を探してみてください。
パロン |
一人ひとりに応じた
個別支援計画を立てながら フォローをしてくれる コミュニケーションミスやトラブルを無くすために、指導員以外にカウンセラーを常駐させて、就労者が相談しやすい雰囲気を作っています。悩みや不満が大きくなる前に解決できるので、安心して作業に取り組めるのが大きな魅力です。 網羅している職種・作業内容
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碧生会(ReLife) |
通信制高校と連携。働きながら高校卒業資格を取得できる
佐賀市内でReLifeというカフェを運営しており、ここが就労継続支援施設となっています。 網羅している職種・作業内容
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楠の木会(楠の木園) |
総合的に福祉サービスを
提供する 相談支援事業を始め、さまざまな福祉サービスを提供しています。 網羅している職種・作業内容
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ゆとり(道の家) |
地域密着で地元の人の助けになる仕事
地域密着型の施設で、就労の場の提供や定着支援を行なっています。 網羅している職種・作業内容
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