当ページでは、てんかんを抱える方の仕事上の悩み、就労継続支援事業を含めた仕事探しの方法、てんかんの方に向いている職種などについて解説しています。
てんかんとは、脳内の神経細胞に発生する異常な電気活動が原因で生じる各種の症状を言います。
発作が発生すると手足・顔のけいれんやつっぱりなどが生じたり、中には意識を失ったりすることもありますが、多くの場合、症状は一過性。発作が始まって数分後には何事もなかったかのように状態が回復します。
日本では、概ね100人に1人の割合でてんかんの患者さんがいるとされ、決して珍しい病気ではありません。適切に抗てんかん薬を服用すれば、患者さんのうち約6~7割の方は発作を抑制できるとされています。薬の適切な服用を並行しながらフルタイムで働いている方も少なくありません。
てんかんの症状は、大きく部分発作と全般発作の2つに分かれます。それぞれの具体的な症状を見てみましょう。
単純部分発作と複雑部分発作に分かれ、単純部分発作では手足・顔のけいれん・つっぱり・ねじれ、視覚異常、聴覚異常、頭痛、前胸の不快感などが生じます。複雑部分発作では、急な意識混濁や動作停止、不自然かつ意味のない動作の繰り返しなどが生じます。
意識を喪失した状態での全身のつっぱり・けいれん(数分間または数十秒)、急な脱力、全身または体の一部の筋肉の急な動きなどが生じます。全般発作を起こした大半の患者さんは意識を失いますが、長くても数分内に意識が回復します。
てんかんをお持ちの方が仕事上で抱えやすい主な悩みを2つほど見てみましょう。
てんかんをお持ちの方でも、適切にてんかん薬を服用している限り自動車の運転が可能ですが、大型免許や第2種免許をもとにした「運転を主たる職業」とすることは控えるべきとの見解があります。
また、工場などでのフォークリフトの運転や機械操作などについても、症状の程度に応じて適宜検討したほうが良いと言われることもあります。
職業選択の自由は認められているものの、てんかんをお持ちではない方に比べ、てんかん症状があることで現実として仕事の範囲が狭められることは否めません。
薬で適切に発作を抑えられていれば良いのですが、何らかの理由で、仕事中に発作が起こらないとは限りません。職種によっては、一人の発作によりチーム全体の業務が中断してしまう恐れもあることから、事前に職場に理解してもらう必要があります。
てんかん症状に関して積極的に理解しようとしない職場では、たとえ本人に仕事の能力があったとしても、就労が拒まれるかもしれません。
てんかんをお持ちの方の仕事探しにおけるポイント・注意点、適切な仕事を探すコツなどを見てみましょう。
就労移行支援事業所や就労継続支援事業所などでは、てんかんをお持ちの方でも安定した仕事に就けるよう、ハローワークなどと連携して各種の就業サポートを行っています。
就労に必要な技術・知識習得のための訓練も受けられるので、積極的に就労支援事業のサービスを利用しましょう。
てんかんで障害者手帳をお持ちの方は、障害者枠で就職する方法も現実的な選択肢です。はじめから障害者枠で応募すれば、会社の理解も得られやすいでしょう。
就職活動の際、てんかんを持っていることを伝えるかどうかは本人の意思に委ねられています。ただし、もし自分で「できない」「危険なのでやらないほうが良い」と感じる業務があれば、就職活動の際にその旨を率直に伝えたほうが、逆に仕事がスムーズに決まるかもしれません。
てんかんの方に向いている主な職種を見てみましょう。
資料作成、データ入力、電話対応などのデスクワークを中心とした一般事務は身体的な負担が少ないため、発作が誘発されにくくなります。仮に発作が発生した場合でも、周囲の理解があれば適切に対応してもらえるでしょう。
クライアントからの依頼に応じ、パソコンに向かって作業をするWebデザイナーやWebライター。身体的な負担が少ない上、出勤して行うこともテレワークで行うことも可能な仕事なので、てんかんの方には比較的向いている仕事と言えるでしょう。
システムエンジニアが作成した仕様書に従い、パソコンに向かってプログラミングをする仕事です。身体的負担が少なく、かつ基本的に一人で進められる仕事なので、てんかんをお持ちの方には向いている職種と言えます。
外回りをせず、オンラインや電話で営業活動を行う内勤型の営業であれば、基本的にてんかんをお持ちの方でも仕事をこなすことが可能です。
商品の仕分け、陳列、加工、ピッキングなどのシンプルな軽作業もまた、心身への負担が少ない分、てんかんをお持ちの方に適した仕事と言えるでしょう。
薬で完全に発作を抑えられている方なら積極的に就職活動を行うべきですが、発作に関して自信のない方は、まず就労継続支援・就労移行支援事業所に相談してみることが就職への第一歩。無理のある仕事に就くのではなく、病気と付き合いながら長く安定的に働ける仕事を探すようおすすめします。
ここではA型・B型就労継続支援施設を運営し、幅広い仕事(作業)を用意している、皆さんにおすすめしたい佐賀県の就労継続支援施設(2021年6月調査)をご紹介します。作業内容や魅力などを解説するので、ぜひ自分に合った施設を探してみてください。
パロン |
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